はら内科医院 内科・内視鏡内科・消化器内科・肝臓内科

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膵癌

膵臓がん(膵がん)について:早期発見と治療のために

 膵臓がんは、かつては「見つかったときには手遅れ」と言われることも多い病気でした。しかし現在は、検査技術の向上や新しい治療法の登場により、「早期に発見し、適切な治療を行うこと」が少しずつ可能になっています。

●膵臓がんとは?

 膵臓は胃の裏側にある、消化液(膵液)やホルモン(インスリンなど)を作る臓器です。膵臓がんの約90%以上は、膵液を運ぶ「膵管(すいかん)」の細胞から発生します。
その他、以下のような種類の腫瘍もあります。
・IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍): 膵管の中に粘液が溜まる腫瘍で、将来的にがん化する可能性があるため、定期的な経過観察が重要です。
・NET(神経内分泌腫瘍): ホルモンを作る細胞から発生する、比較的稀な腫瘍です。

●膵臓がんのリスク(原因)となりうるもの

 「なぜ自分が?」と不安になる方も多いですが、膵臓がんは複数の要因が重なって発症すると考えられています。特に以下に該当する方は、定期的な検査が推奨されます。
・家族歴: 親や兄弟姉妹に膵臓がんを患った方がいる。
・持病: 糖尿病(特に急激に悪化した場合)、慢性膵炎
・生活習慣: 長年の喫煙、過度な飲酒、肥満
・良性腫瘍の有無: IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)を指摘されている。

●見逃してはいけない初期症状

 初期には自覚症状がほとんどありません。しかし、「なんとなくおかしい」というサインを見逃さないことが早期発見の鍵です。
・腹痛や背中の痛み: みぞおちのあたりや、背中にかけての鈍い痛み。
・黄疸(おうだん): 白目や皮膚が黄色くなる、尿の色が濃くなる、体が痒くなる。急激な体重減少: ダイエットをしていないのに体重が
減る。
・糖尿病の発症・悪化: 健康診断で急に血糖値の上昇を指摘された

Point: 「検診で異常なしだったから安心」と思わず、上記のような違和感があれば、消化器専門医への受診をおすすめします。

●検査方法:小さな異変を見つけるために

一つの検査だけで確定させるのは難しいため、複数の検査を組み合わせて診断します。
・血液検査: 腫瘍マーカー(CA19-9など)や、膵酵素の値を調べます。
・腹部超音波(エコー): 体への負担が少なく、最初のスクリーニングに適しています。
・CT・MRI検査: がんの場所や広がり、血管との関係を詳しく調べます。
・EUS(超音波内視鏡): 胃の中から膵臓をごく間近で観察できる、非常に精度の高い検査です。

●膵臓がんの治療方針

「がんの進行度(ステージ)」だけでなく、患者さんの体力やご希望を総合的に判断して決定します。
・手術: がんを取り切ることが可能な場合、最も根治が期待できる治療です。
・化学療法(抗がん剤): 手術の前後に再発を防ぐ目的で行ったり、手術が難しい場合にがんの進行を抑えるために行います。
・放射線治療: 抗がん剤と組み合わせて、局所のがんを制御するために行われます。

現在は「集学的治療(しゅうがくてきちりょう)」といって、これらを組み合わせることで治療成績が向上しています。

● 日常生活でできる予防と対策

 完全に防ぐ方法は確立されていませんが、リスクを下げるために以下のポイントを意識しましょう。
・禁煙: 最大のリスク要因の一つを排除します。
・節酒: 膵臓への負担を減らします。
・バランスの良い食事: 脂肪分の摂りすぎに注意しましょう。
・定期検診: 特に糖尿病や膵炎のある方は、主治医と相談して定期的な画像検査を受けてください。