「トイレが近くなった」「排尿の終わりに痛む」……。そんな違和感があれば、膀胱炎(ぼうこうえん)かもしれません。膀胱炎は女性にとって非常に身近な病気ですが、放置すると重症化する恐れもあります。
ここでは、膀胱炎のメカニズムから治療法、日常でできる予防策まで解説します。
膀胱炎とは、外部から大腸菌などの細菌が尿道を通って膀胱内に入り、増殖して炎症を起こす病気です。
〇女性に多い理由
女性は男性に比べて尿道が約3〜4cmと短く、出口(尿道口)が肛門や膣に近いため、細菌が膀胱に到達しやすい身体構造をしています。通常は、尿と一緒に細菌を体外へ洗い流す自浄作用が働きますが、以下の条件が重なると発症しやすくなります。
・尿を長時間我慢する(菌が繁殖する時間を与えてしまう)
・体調不良やストレス(免疫力が低下し、菌に負けてしまう)
「もしかして?」と思ったら、以下のセルフチェック項目を確認してみてください。
1.頻尿(ひんにょう)
何度もトイレに行きたくなる。1日に8回以上など。
2.排尿時痛
排尿の終わり際に、ツーンとした痛みやしみる感じがある。
3.残尿感
出し切った感じがせず、すぐにまたトイレに行きたくなる。
4.尿の濁り・血尿
尿が白く濁ったり、ピンク色や赤色の血が混じったりする。
!注意が必要なサイン !
膀胱の炎症が腎臓まで波及すると「腎盂腎炎(じんうじんえん)」を引き起こします。38度以上の高熱、背中の痛み、腰痛がある場合は、早急に医療機関を受診してください。
もっとも多いのは、健康な人に起こる「単純性膀胱炎」です。日常生活の中には、発症のきっかけ(誘因)が多く潜んでいます。
・生活習慣: 水分不足、トイレの我慢、体の冷え。
・身体的要因: 便秘(細菌が繁殖しやすくなる)、月経、妊娠。
・その他: 性交渉、過労や睡眠不足による免疫力低下。
※何度も繰り返す場合や、治りにくい場合は、膀胱結石や糖尿病、前立腺肥大症(男性の場合)などの背景疾患が隠れている「複雑性膀胱炎」の可能性もあります。
診断は、主に尿検査で行います。
・尿定性検査: 尿中の白血球(炎症の証拠)や潜血、細菌の有無を調べます。結果はすぐに出ます。
・尿培養検査: どの細菌が原因か、どの抗生剤が効くか(薬剤感受性)を詳しく調べます。特に再発を繰り返す方に重要です。
基本的には抗生剤(抗菌薬)による薬物療法を行います。
・服用の目安: 通常は3〜5日間の服用で、数日以内に症状が改善します。
・重要なポイント: 症状が軽くなったからといって、自己判断で服用を中止しないでください。 菌が生き残り、耐性菌(薬が効かない菌)を作ったり、再発したりする原因になります。
・並行して行うこと: 水分を多めに摂り、積極的に尿を出して膀胱内を「洗浄」することが回復を早めます。
膀胱炎は繰り返さないことが大切です。以下の習慣を意識しましょう。
・水分をしっかり摂る: 1日1.5〜2リットルを目安に。尿量を増やして菌を流します。
・トイレを我慢しない: 行きたいと思ったらすぐに行く習慣を。
・清潔を保つ: 排便後は「前から後ろへ」拭くのが鉄則です。
・免疫力を維持する: 過労やストレスを避け、十分な睡眠と栄養を摂りましょう。
・冷え対策: 下半身を冷やすと血流が悪くなり、免疫機能が低下します。
「ただの疲れかな?」と放置すると、症状が悪化して血尿が出たり、激しい痛みで日常生活に支障をきたしたりします。早めに適切な治療を受ければ、短期間でスッキリ治る病気です。
排尿の違和感が1日以上続く場合は、泌尿器科、または内科・婦人科を受診しましょう。