肝臓の細胞が癌化したものです(肝細胞癌)。肝臓にできる癌にはほかに胆管癌がありますが、これは肝臓の中を通る胆管が癌化したもので、肝内胆管癌と呼ばれています。同じ肝臓にできた癌でも治療方法が違います。一般的に肝癌は肝細胞癌のことを指します。
主な原因はB型肝炎、C型肝炎です。肝炎ウイルスの持続感染により遺伝子の突然変異がおこり癌になると考えられています。
その他の原因としてはアルコール、喫煙、肥満、糖尿病などがあります。最近では肝炎ウイルス以外の原因による肝細胞癌が増えてきており、特に脂肪肝が注目されています。
肝臓は沈黙の臓器と言われ、肝炎や癌があっても初期であれば症状はほとんどありません。ですので、肝癌の原因に該当する人、検診で肝機能異常を指摘された方などは定期的に採血や画像検査を受けましょう。
禁煙して飲酒を控えること、またメタボにならないように食事管理や適切な運動を行うことが効果的です。またB型、C型肝炎検査は無料で受けられますので、受けたことのない人はお勧めです。
血液検査、超音波(エコー)検査、CT検査、MRI検査などがあります。超音波検査は外来で簡単に行うことができますが癌の場所や肥満などにより十分な検査にならない場合があります。観察不良な場合やより詳しく調べる場合にはCTやMRIをおこないます。
手術、ラジオ波焼灼術(RFA)、肝動脈塞栓術(TACE)などをはじめとして、薬物療法や、肝移植、放射線治療など様々です。癌の進行度、肝臓の余力などを考慮してこれらから選択します。