尿酸が高い状態が続くと、関節に激痛がおこる痛風発作や腎臓を悪くします。また糖尿病、高血圧、脂質異常症と密接に関係し、動脈硬化を進行させ心筋梗塞や脳卒中を起こすリスクを高めます。
尿酸は「尿」の「酸」ではなく、物質名です。関係するものとして「プリン体」が有名ですが、実はプリン体からつくられる尿酸は全体の2割にすぎません。残りの8割は体内で生じる老廃物です。できた尿酸は尿の中に排泄されるので、体内の尿酸の量は一定に保たれています。
体内で尿酸が作られ過ぎたり、うまく体の外に排泄されなかったりすることで、血液中の濃度が高くなります。
痛風発作は尿酸が関節に沈着することで起こります。発作は突然に起こり、腫れと激痛を伴います。足の親指の付け根が一番多く、その他足首や足の甲、膝や手の関節に起こることもあります。通常1-2週程度で治りますが、尿酸が高い状態を放っておくと繰り返し起こります。ストレスや激しい運動、尿酸値の急激な変化などがきっかけとなり、95%が男性です。
尿酸が高いからといって、すぐに治療が必要というわけではありません。まずは生活習慣から見直しましょう。
内服治療の対象となるのは次の人です。
①痛風発作を起こしたことのある人、または痛風結節がある人。
②尿酸値が8mg/dlで合併症(腎障害、尿管結石、心臓病、生活習慣病)のある人
③尿酸値が9mg/dl以上ある人
ダイエットして減量すると尿酸値が下がることが多いです。次の点に注意しましょう。
①適正カロリーを守りましょう。
②プリン体の取りすぎに注意しましょう。
③野菜、海藻などのアルカリ性食品をとりましょう。
④アルコールを控えましょう
⑤1日2Lを目安に水分を十分とりましょう。
⑥有酸素運動をしましょう。
発作のある人はまずは発作の治療を行います。発作が治まってから尿酸値を下げる治療を開始しますが、少ない量から開始して尿酸値が6m/dl以下になるように調節します。