はら内科医院 内科・内視鏡内科・消化器内科・肝臓内科

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はら内科医院

膵炎

急性膵炎

●急性膵炎とは?

膵臓の急性炎症で、膵液に含まれる消化酵素により自らの膵臓が消化されてしまった状態です。重症化すると他の臓器まで炎症が広がります。

●原因は?

原因として多いのはアルコールと胆石です。その他薬によるもの、内視鏡検査に伴うもの、脂質異常症(中性脂肪高値)、生まれつきの構造異常などがありますが、原因がよくわからないものもあります。慢性膵炎がある方はそれの悪化により急性膵炎となる場合があります。

●どんな症状がでるの?

急な上腹部や背中の痛み、吐き気がみられます。時には黄疸や発熱を伴うこともあります。

●診断は?

血液検査とCT検査により診断します。データの値やCTでの炎症の広がりにより重症度の判定をおこないます。

●治療は?

絶飲食のうえ大量の点滴をおこない、蛋白分解酵素阻害薬を使用します。腹痛が強い場合には鎮痛剤も使用します。急性期を過ぎても膵臓に仮性嚢胞(膵液など入った袋)ができたり、壊死した組織に感染が生じたりすることもあります。その場合には嚢胞の内容を吸引したり(ドレナージ)、壊死組織を取り除いたり(ネクロセクトミー)する必要があります。内視鏡でおこなわれることが多いですが、難渋する場合は外科手術がおこなわれることもあります。

慢性膵炎

●慢性膵炎とは?

膵臓の慢性的な炎症で、膵臓が線維に置き換わり硬くなったり、膵臓の中に結石(膵石)ができたりします。その結果、胆汁の通り道である胆管が狭くなることもあります。

●原因は?

アルコールによるものが最も多くなっています。たばこも原因と考えられています。そのほかには、脂質異常症・副甲状腺機能亢進症などがあります。原因がよくわからないもの(特発性)もあります。性別でみると、男性はアルコール性が最も多く、女性は特発性が最も多くなります。

●どんな症状がでるの?

繰り返す上腹部や背中の痛み、吐き気、腹部膨満、倦怠感などがみられます。胆管が狭くなることにより黄疸を伴うこともあります。進行すると消化吸収が悪くなり下痢や脂肪便になったり、膵臓の機能が低下するとインスリンの分泌が悪くなり糖尿病になることもあります。

●診断は?

腹部超音波検査、CT検査、MRI検査などにより診断します。最近では超音波内視鏡で早期の慢性膵炎を診断しようする試みがなされています。

(CT、MRIは主に病院での検査となります。また超音波内視鏡はできる病院とできない病院があります)

●治療は?

基本治療は禁酒・禁煙です。痛みがある場合に対しては鎮痛剤やタンパク分解酵素阻害薬が使用されます。胆管や膵管が狭くなった場合や膵石の治療をする場合には内視鏡治療が行いステントを留置したり、膵石を除去したりします。消化吸収障害(下痢、脂肪便)には膵酵素補充治療が行われます。